葬儀の場では肌の露出はマナー違反となっているので、どの喪服も長袖タイプになっています。
気温が低い時期は長袖でも問題ないのですが、気温が暑い夏となるとそうはいきません。
近ごろは温暖化の影響で気温が40度近くなる日もありますから、そんなときは喪服をどう着たらよいのか迷う人もいるはずです。
今回は女性が夏に喪服を着るときのマナーについてご紹介するので、いつ気温が高い時期に葬儀へ出席することになってもいいように、あらかじめ勉強しておきましょう。
夏の女性の喪服マナー!冬用を着ても問題ない?
女性の喪服で多いのが、ワンピースとカーディガンがセットになった「アンサンブルタイプ」と、ジャケットとワンピースとシャツの3つがセットになった「3点セット」タイプです。
喪服は露出を避けるためにどれも長袖となっているため、季節感がなく、どれもオールシーズン着られると思っている人もいるかもしれませんが、そうではありません。
多くの喪服が、春と秋と冬の3シーズンに着られるように作られています。ワンピースやシャツは夏でも着られるような薄手のものが多いのですが、カーディガンやジャケットは低い気温でも寒さを感じないように厚手になっているのです。
もちろん、3シーズン用の喪服を夏場に着るのはNGというわけではないので、それしかないというときは着用しても問題ありません。
しかし、気温が30度近くになる季節だと、汗をかいてしまうのであまりおすすめできないです。
とは言え、カーディガンやボレロ、ジャケットを脱いだまま参加するのはマナー違反となってしまいます。
そのため、夏場の葬儀に出席するときに備えて、3シーズン用とは別に、夏用の喪服を用意しておくのがおすすめです。
マナー違反を避けよう!女性用の夏の喪服を選ぶときのポイント
夏用の喪服を購入するときには、いくつかのポイントがあります。マナー違反を避け、真夏の葬儀でも暑さにまいることのないよう、事前にポイントをおさえておきましょう。
ウォッシャブルタイプがおすすめ
喪服の中にはウォッシャブルタイプと言って、クリーニングではなく洗濯機で洗えるものがあります。
夏場に汗をかくと喪服が汗を吸い取ってしまうのですが、1回着る度にクリーニングに出すのは金銭的に躊躇うという人もいるはずです。自宅での選択ならそのような人でも問題ないでしょう。
ウォッシャブルタイプは夏に着用し、自宅で洗濯するように作られているので、3シーズン用より少し薄手で風通しが良いものが多いので検討してみてください。
サイズは少しゆったりめを選ぶ
夏用の喪服を購入しても、サイズがぴったり過ぎるとあまり涼しさを感じません。少し大きめを買うと通気性がよくなり、汗をかきにくくなるので暑い夏場でも快適に過ごせます。
ただし大きすぎるとだらしなく見えてしまうので、2サイズ以上のものは選ばないようにしましょう。
ジャケットのみ追加するという手も
ワンピースやブラウスはそこまで厚手ではないなら、ジャケットのみ夏用のものを買うという手もあります。
夏用のジャケットは裏地がないので、通気性がよく、背中に熱がたまりにくいのです。
ただし、手持ちのワンピースやシャツと合わせてもデザイン的におかしくないかきちんと確かめてからにしましょう。
ワンピースタイプは涼しい
ジャケットタイプやカーディガンタイプは重ね着をすることになるので、夏用の喪服を選んでも酷暑の時期はそこまで涼しさを感じられないこともあります。
そのため、暑がりの人には長袖でワンピースタイプの喪服がおすすめです。1枚でサラッと着られるので重ね着タイプより涼しさを感じます。
普通の黒いワンピースだとおしゃれな感じになってしまうので、ボレロやカーディガンを着ているように見えるデザインのものを選びましょう。
半袖シャツは着てもいい?
ジャケットやカーディガンを上に羽織れば、半袖シャツを着てもいいような気がしますが、葬儀中は基本的に長袖着用がルールなのでNGです。
近ごろは通気性がよく、汗を吸い取りやすい設計にしてあるシャツがたくさん販売されていますので、そのようなシャツを選ぶと蒸し風呂状態になるのを防げます。
女性の喪服はあらかじめ夏用を購入しておくのがよい
すでに3シーズン用の喪服を持っている人は、夏用としてもう1着喪服を購入することを悩むかもしれません。
そのため、「夏用だけレンタルすればよいのでは?」と考える人もいるでしょうが、レンタルで済ますと思いがけないトラブルが発生することもあるのです。
たとえば、普段は喪服を持っているのでレンタルする必要がないため、前日や当日になってバタバタとレンタル店へ足を運ぶことになります。最悪の場合、レンタル店に行く時間がない可能性もありますから、そうなると暑さに耐えながら葬儀に出席するハメになるでしょう。
そのほか、レンタル店に行けたとしても、自分のサイズに合う喪服がレンタル中という可能性もゼロではありません。夏用の喪服は夏にしか着られないため、レンタル店によっては、3シーズン用のものより数が少ない場合もあります。
レンタルできないとなると、手持ちの冬用の喪服を着ることになりますよね。暑さに慣れていない人だと、冬用の喪服を着たことで熱中症になる危険性もありますし、周りの人に暑苦しい印象を与えてしまうかもしれないのです。
これらのことを考えると、やはり夏用の喪服は必要で、レンタルではなく自分用で1着購入しておくのがおすすめと言えます。
「できるだけ費用を抑えたい」という人には、ネット通販での購入がおすすめです。ネット通販はスタッフや店舗の光熱費などの経費が実店舗経営より少ないため、そのぶん相場価格より安く喪服を提供できます。
さらにキャンペーンなどで定価より安く買えるチャンスもあるので、喪服にかかる費用が気になる人はぜひネット通販を利用してみてください。
夏に女性が喪服を着るときにおすすめの暑さ対策
夏用の喪服を着用しても、真夏に長袖を着るとやはり多少の暑さを感じてしまうものです。そこで夏服の着用以外でできる暑さ対策をご紹介するので、ぜひこちらも参考にしてください。
髪が長い人はヘアスタイルを工夫する
首回りに髪が張り付いていると、通気性が悪くなるので暑さを感じてしまいます。そのため、髪が長い人はアップヘアにし、首に髪がまとわりつかない状態にしておきましょう。
このとき使うヘアアクセサリーは控えめなデザインで黒色のものを選びます。光沢があるものや派手なデザインのものはマナー違反なので注意してください。
汗を拭く用のハンカチを持っておく
葬儀のときに涙を拭うようにハンカチを持参する人が多いのですが、夏場は汗拭き用として1枚追加で持っておくのがおすすめです。ハンカチはマナーに反しないよう無地のものを選んでください。
黒い扇子を持っていくのはOK
暑さを凌ぐときに使われる扇子は、黒色のものなら葬儀のときに持参しても構いません。ただし、堂々と仰ぐと周りの目が気になるでしょうから、控えめにパタパタと揺らす程度がおすすめです。
まとめ
喪服は春秋冬と3シーズン用のものが多く、暑さの厳しい真夏に着用するのには向いていません。夏に冬の喪服を着ることはマナー違反ではありませんが、暑さを我慢すると熱中症になる危険性もあります。
そのため、ウォッシャブルタイプの喪服や薄手のジャケットを購入し、少しでも暑さを凌げる服装を選びましょう。
夏用の喪服はネット通販で安く購入できることが多いので、購入する人は一度調べてみてくださいね。